なおぼうけん

日々を探検したり、掘り下げていきます。

プレーオフ・柑橘・先着順

2020/08/20

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プレーオフ(Play-off games)

季節外れのプレーオフ。選手もチームも、そのパフォーマンスは圧巻で、好きなチームを贔屓することも忘れて、観る者を魅力する。熱狂をリアルタイムで楽しんだあとはお酒を飲んで寝てしまいたいが、あいにく日本は昼だ。

NBAプレーオフナイトの余韻が醒めやらぬ頭に容赦なく降り注ぐ、真夏の太陽の光。日陰を好むのも最近になってからで、髪の日焼けが急に怖くなったからだ。

熱くなった身体を冷やすもの。いかにそれに拘るか、というのも夏の醍醐味だ。

その火照りすら待ち望んでいたものだから。

柑橘(Citrus

薬局に行かない日はある?というコマーシャルをみた。わかるようで、誇大だ。そこまで気にならないところがちょうどよくもある。

オレンジオイルは様々な汚れを落とすと知ったのは小学生の頃だったと思う。 近所の仲良しの友達の家には、テレビショッピングの新作が大抵置いてあって、オキシクリーンがあった時には感動すら覚えた。

特に何かあったわけでもなく、その友達とは徐々に会わなくなった。お互い高校でいろんなことをやっていたからだろう。僕は受験勉強を、彼は何をしていたか、わからない。

今も実家に帰り、彼の家を見るたびにそうした昔のことを思い出す。

そんな回想をしながら、僕は薬局で掃除用具を選んでいた。 20年の時を経て、初めてオレンジオイルを使ってみようとしている。一体どれぐらい汚れが落ちるのだろう。

先着順(First come, first served)

小学校のころは誰かと何かを競うということが当たり前だった。かけっこの速さ、テストの点、テストが終わる速さ。 なんでも1番を目指そうという流れがそこにはあって、その流れがあることに疑問も覚えず、誰と争うという目標もないままに速さを高めることだけを追求していた。

1番になった時は、ヒーローよろしく、羨望の眼差しが向けられて、それに満足感を覚えたこともあった。 僕は病気があり、かけっこで1番になることは難しかったから、テストの点で競うことは負けたくないと思う気持ちが強かった。

誰よりも速く。そんなシンプルな動機だけで、僕は青春時代の初期を駆け抜けていた。

夜風が気持ちいい。街を走りながら、その脇を自転車が通り過ぎていった。 どこを目指すでもない。ただ走っているだけなのに、動機はそんなに単純じゃないような気がして、大人って厄介なものだなあと想った。

眼鏡を外し、額の汗を拭うと、光がぼやけた街が花火のように見えた。