そんなつもり
目線がどんどん高くなっていくにつれ、見下ろすようになった。 見守る気持ちを大事にしようと思っていたのに、本当に大事にしていたのは、見守ることができる私だった。
そんな私を今ゆっくりと見下ろしていた。
今ゆっくりと山に入ろうとする人に勇気を持って話しかけようとする。 その勇気の実は、山を降りようとする私への慰めだった。
そんな私を今ゆっくりと見下ろしていた。
わたしをみてくれる人がいた。 いつの間にかみてくれなくなってきたから、もっとみてくれるように、綺麗に、大きく咲こうとした。
そんなわたしを今ゆっくりと見下ろしていた。
わたしに話しかけてくれる人がいた。 頑張ってみたけれど難しいから気をつけたほうがいい、と言ってくれた。わたしはここよりも厳しい山を、昨日乗り越えてきた。
そんなわたしを今ゆっくりと見下ろしていた。