なおぼうけん

日々を探検したり、掘り下げていきます。

音楽・プリン・茹で麺

2020/08/15

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音楽(Music)

毎日電車に乗ること自体、半年ぶりのように感じられたが、あながち間違ってはいなかった。 その疲れが出て来たと感じた頃には、イヤホンをつけて音楽を聴きながら電車に乗る習慣がきちんと復活していた。

それほど外界の情報は多く、僕には受け止め切れないのだろう。

新居の契約を済ませた日から数日が経つと、出る街と化したこの街に思い残すことは思っていたよりもなかったのかもしれない。 イヤホンをつけるタイミングが日に日に早くなっていて、今日はもう家を出た時にはつけていた。

そうやって自分の殻をうまく身に纏って、大事なものが壊れないようにしている。

プリン(Pudding)

心の形はよくわからないけれど、多分プリンのような感じだろうと想像している。なめらかなタイプだ。 栄養満点でだと思っているけれど、世の中にはそうは思わない人もいて、元気で何よりだと思うばかりだ。

ところであれをクリーム色と呼ぶのは正しいのだろうか。

休憩室で1人、プリンを食べる。何かを打ち込んでいる人。友達と話す人。本を読む人。寝ている人。 口火を切ったように笑いだすと、それに応える人。

距離感を掴み切れずにいる人。

教室に戻り、作業に取り掛かると急に正面の女性が大音声をあげた。 何事かと思うと、何事もなかった。何事もなかったと伝えたつもりだったけれど、表情が伝わらないと気づいたのはしばらく経ってからだった。

茹で麺(Boiled noodle used for yakisoba)

ある程度余裕が出てくると、早くも労をねぎらおうとする火が心に灯って、気がつくと中野のバーにいた。ただ1人、マスターの作るハイボールを飲んでいた。

マスターの作るハイボールは美味しい。彼は美味しいぞとは言わない。ただそっと、目の前にハイボールを置いてくれる。

飲みながら制作中の課題のことを考えた。口は野球の状況について何かを伝えようと動いていて、マスターと会話しているのだけれど、頭はそうではなかったようだ。

だんだん不安になって、なにか手を加える。前のほうが良かったかなと思い始める。

マスターに焼きそばを注文した。饒舌におすすめであることを語る姿に、普段は感じない違和感こそあったものの、出てきたものはまさに逸品だった。

ポイントは茹で麺をあれこれすると言っていたけれど、細かいところまでは頭に入って来ず、ただその自信だけをしっかりと受け止めることができていたのが、何か僕自身にとってもヒントのように感じられたのだった。