なおぼうけん

日々を探検したり、掘り下げていきます。

大粒・苦味・マスター

2020/07/26

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大粒(Large drop

三鷹に着くと、駅前のアスファルトに勢いよく雨粒が降り注いでいた。 夏の雨のそれで、なぜか雨が降っているのに梅雨が明けそうな予感がした。

今日も大学には行くけれど、無言で帰るだろう。そういう決まりになっているからだ。

午前の授業を恙無く終えると、昼食をとりに外に出た。 工事現場で仕事をしている人、路上販売をする人、子供を連れて買い物をする人。いろんな人がいて、活気のある街だなと感じた。

今朝の電車で読んだ本に、スーパーで焼肉のたれをどうするか楽しそうに悩む姿はまるで、ゴールテープを切った後の姿だと喩えているシーンがあった。 いろんな目標に向かってみんながんばっているけれど、最終的にはそうした日常の穏やかさを楽しみたいのではないかという問いかけのようにも思えた。

様々な仕事をしている人に満ちた街を闊歩しながら、僕にとってのその姿は何だろうと考えていた。

苦味(Bitter taste)

昔から課題をする時間を与えられると、その時間を使い切ってやるよりも早く終わらせることに注力しがちだった。まだやる気があるからこのやり方も取れるけれど、得てして中途半端なものが出来上がる。評価されなくても悔しくないようなものが出来上がるのだ。

何の味もしないガムを噛んでいるようで、そういうやり方ばかりだと次第に飽きてきてしまう。時間通りにものを作るのは難しい。

時間いっぱい使う工夫をあれこれ講じると、評価されなかったときに悔しいから嫌だという気持ちがわからなくもない。苦い体験はあまりしたくない。

でも僕はビールを飲むのだ。

マスター(Bar man)

二日間のスクーリングが終わると、誰かに吹聴されたかのように学生全員が一目散に帰っていった。二日目だと少し慣れているので、なるほどこういう形で学生生活が進んでいくのだなと納得してきていた。

それでも人がいるのに交流がないのは比較的ストレスだった。

帰りに中野で降りると、今日は休みだとわかっていながら行きつけのバーに向かっていた。もしかしたら、と思う理由があったのだ。 今日はベイスターズ戦だ。マスターはバーで観戦している気がした。

アーケードを通って、バーへ向かう。

最近まで流星の絆を読んでいたので、途中洋食店が目に入ると気になってしまって、つい立ち寄ってしまった。ナポリタンを注文してすぐにハヤシライスにすれば良かったと後悔した。 こういうときは大概また来ようと思うのだけど、こう思ってまた来た試しはあまりない。食べながらUberの注文を受け、渡すまでの一連の流れをみた。

食べ終わってすぐにバーへ行くと、案の定マスターは試合をみていた。挨拶だけして帰ろうと思っていたけれど、一緒に観ようと誘ってくれた。

テレビをみながら、最近のいろいろなことを話した。試合展開が変わり、ベイスターズの状況が悪くなると、それに従うように大粒の雨が降り出した。 今日は負けたけどしょうがないね、これも野球だね、と話した。また来ますと言って、僕はバーを後にした。

駅に向かう途中、お兄さんどうですかと何回か声をかけられた。