カレンダー・除湿機・代打
2020/07/27
カレンダー(Calendar)
週の始まりはカレンダーを見ることから始まる。金曜日に思い描いた地図など、とうに忘れてしまっている。
そもそも金曜日に描いた地図は大抵「ニューヨークに行く」ぐらい漠然としたことしかないものだ。その通りで予定を立ててしまうのは非常に危険だ。達成しない気持ちだけが積み重なって、疲れた色合いのグラデーションが出来上がってしまう。
できるだけストレスは少なくして生きていたいと思う直人だった。
カレンダーというものはかなり無責任な自分への手紙でもある。例えば年末に「沖縄旅行」と入れて、入れたときはそのつもりだったとしても、年末になるとその気持ちも薄れてしまい、気がつくと地元の温泉に友達と入っていたりするものだ。
もっとも、それぐらいアバウトでないと息が詰まるというものだ。書いておかないとやらないことが多い一方で、書いてあってもやらないことが多いというのだから、もはや書く行為自体のみに意味があって、あとは自分の中にどれぐらい残るかが大事なのだろう。
カレンダーは時系列順に数字がふってあるメモ帳に過ぎない。 そう思いながら今週の仕事の予定を書き込んだ。
除湿機(Dehumidifier)
今週の予定を見渡すと、その中で焼肉の2文字が燦然と輝いていた。週初にして楽しみがあると、心の中に自然とやる気が漲るものだ。 良い1週間になりそうだという萌しを大事する思いから、スタートダッシュで息切れしないように気をつけようと自分に言い聞かせた。
ものは言い様で、要は手抜きでもしてやろうという魂胆があるのだが、そればかりはしょうがない。持って生まれた性分だ。ものは言い様だ。
週初の打ち合わせをしながら午前に立てた予定の微調整を行いつつ、なぜか急に気になって、足もとでゴウンゴウンとなっている除湿機を切った。
急に静かになった部屋のなかには、画面の向こう側で話す先輩の声と、どこかしんとした音が満ちていた。
代打(Pinch hitter)
仕事をいくつか終わらせて外へ走りに行こうと準備をした。今日は野球がないから退屈だ。
月曜日が嫌いな理由の1つでもある。
贔屓のチームには常に勝っていてもらいたい。何くそと練習して、その熱い気持ちが現れた最高のプレーをしてほしい。ファンとしてそう願うのだが、現実はそう予定のように進まない。
一喜一憂するのを楽しんでいると見られてもしょうがない。
しかしそう思ってしまうからしょうがないのだ。実に、他に代えがたい。
常にホームランしか狙っていない。