フードを被る
秋は夕暮れ
北からの風が肌を撫ではじめたら、もう僕が半袖を着て外に出ることはなくなるだろう。
そしてそれは暮れを意識し始める時でもある。今年ももう年末が迫ってきているのか。そう感じるまで、きっとあと少しだ。山間の景色は燃えるような色で満ち、そして燃えたあとのような残骸を隠すかのように、白い雪で覆われる。
そんな年末は果たして、迫ってくるものなのだろうか。
季節を感じる時に、何かを思い出すこともあれば、それらの蓄積との比較において新しいと思うことがまた1つ、1つと増えていくものだと思うが、今年は思い出すことでいっぱいだ。
新しい生活に、これまでから何を大切に持って行こうか。
汽笛の音が聞こえる。夕日が沈んでいく。