なおぼうけん

日々を探検したり、掘り下げていきます。

2020/07/08 湯船・蒸散・群青

今日何があった?

湯船(Bath ship)

tubには桶という意味だ。浴槽はバスタブだ。 浴槽の中にあるお湯は湯船だ。 小さい頃はそう解釈していた。

すでに60寸で法師でもないけれど、お風呂に浸かりながらラジオを聴き、いろんなことを考え旅をする。 有楽町のスタジオでただ聴いている人になっていたり、今日はどんな1日だったかを考えたり。 気がつくと1時間は経っていることもある。

しずかちゃんはこれを1日に3回も?カサカサにならないのかな。

私たちが住む地球を船に例えて宇宙を旅していると表現されることがある。 ある集団に入って何かをしていると、乗り掛かった船だ、となかなか下船を許さぬ状況に陥る時もある。 舟にたくさんのお魚が載ってでてきたら、最後まで舟で運ばれてくるんだなと思いながら嬉々としてそれを食べる。 冷えた日本酒が喉を潤し、熱くする。

黙って1人でいる時間が心地いい。船は何処へ向かうのだろう。 水先案内人は誰?

蒸散(Transpiration)

雨が多くても、梅雨でも7月。夏は夏だ。植物が元気に、たくましく成長している。 部屋の湿気も上り調子、最悪なことにエアコンから滴が溢れている。 夏が嫌になる瞬間だ。

PM1:00、外に出て生の湿度を体感すると、部屋はなんて快適なんだろうと思う。 一度滴ったらしばらくは乾燥しなくてはいけない。部屋に戻ってからのことを思っては、嫌になる。 気分を改めて昼食を買いに行く。ある程度外食ができるようになって、自炊が面倒になった。 何を食べようか考えてみるけれど、あまり思い浮かばない。

調子がいまいちの時は食べたいものが浮かばない。考えて、暑さで汗をかいて、少し思い浮かべては消えていく。 嫌なことがあった時にこんな気持ちになればいいのに、と思いながら、今がいい時でもないことに気づいた。

調子が良いのかどうかもよくわからなくなった。 気分転換でもして、僕も植物のように何かを発散したい。

群青(#465DAA)

僕は群青を見た。 群青とは、ウルトラマリンのうち、青色のもののことだ。深い海の底のような色を思い浮かべていて、色としての記憶がなかった。 昔にテレビで見た、深海魚の明かりに照らされる世界。海の天井が黒で、底には白い砂が敷かれている。 そういう記憶だけがあった。

仕事の時間が過ぎて、ジャージに着替えて外に出た。 今日は整骨院に行く日だ。痛みを浴びる、辛い時間だ。そのあとせっかくだから少し表を走ろうと思った。

あれだけ降り続いた雨は止んでいて、外は晴れていた。雨上がりに少しだけ生暖かい風が吹いていた。 整骨院は空いていて、入ると座るまもなく施術が始まった。今日は楽だという雰囲気が、まるでない。

痛みに耐えて外に出ると、空が紫と桃色に染まっていて、暮れなずんでいた。イヤホンをつけて走り出すと、徐々に紺色が増えていって、それまで明るかった色彩が急に暗がる。

何処までも続く空の向こうが暗くなっていく。走っている地面の砂が街頭に照らされて輝いていた。 公園を少し抜けて、橋を登ったその時だった。

僕は群青を見た。